指紋認証といえばスマホではもはやあたり前の装備ですが、パソコンも負けてはいません。
スマホが普及するよりも前に富士通のパソコンには指紋認証システムが搭載されていました。
たくさんの機種があったと思いますが、ワタシの知る限りNF/D70、NF/E70、NF/G70などのNFシリーズの上級モデルです。
特にNF/E70やNF/G70などはWindows7モデルですのでいまだ現役という場合も多いでしょう。
それに以前の記事「富士通製Core2Duo搭載パソコンのOSのアップグレードについて」でWindows7からWindows10にアップグレードする際の注意点を解説しましたから、それを参考にWindows10にした方もいるかと思います。
そこで問題になるのが指紋認証アプリの「Omnipass」
普通にインストールしただけではWindows10では動作しませんし、インストールすらできません。
でもせっかくある機能なんだから使えるのであれば使いたいですよね。
今日はその使い方についての解説です。
互換モードをフル活用することで指紋認証が使えるようになる。
はい、答えはこの見出しのとおりです。
え?それだけで終わり?
中身としてはそれだけで終わりですが、じゃあどうやって互換モードを活用するのかわかりませんよね。
互換モードとは以前のバージョンのWindowsで動作していたソフトなどを仮想的にその状態にして使えるようにする機能です。
使い方は簡単ですが、その前にOmnipassを使用する場合はOmnipassのバージョン6.0とバージョン7.0の2つのバージョンを手に入れる必要があります。
Windows7はバージョン7.0なのでそれだけでもいいんですが、稀にそれでも動作しない時があるのでその場合はバージョン6.0からバージョン7.0にアップグレードすることで使えるようになります。
まずはアップグレードなしに使える前提でのインストール方法です。
これはWindows10にアップグレード済みの富士通製パソコンにインストールする前提の解説です。
(Windows10にアップグレードする場合事前にOmnipassをアンインストールしておかなければならないので、インストールしたままのOSアップグレードはできません)
互換モードでインストールする場合はOmnipass6.0のセットアップファイルを右クリックしてプロパティをクリックし「互換性」タブを選択し「互換モードでこのプログラムを実行する」にチェックを入れ「Windows7」にします。
ウィンドウを閉じセットアップファイルをダブルクリックすればインストールが始まります。
これをしないとただ単にセットアップファイルをダブルクリックしただけではWindowsのバージョンが違うということでインストールができません。
通常はこれでWindows10でOmnipassが使えるようになるんですが、稀にこれでも使えない場合がありWindowsを起動するたびに「このプログラムは互換性がないので使用できない」旨のメッセージが出てOmnipassが起動しません。
Omnipassはトラブル解決ナビディスクに入っている
その場合は一度アンインストールしてからバージョン6.0のOmnipassをインストールします。
手順は先程と同じように互換モードでインストールするんですが、その時にWindowsVistaを選択します。
インストール途中から「互換性が無いので動作しない」メッセージが頻発しますが、全部無視して閉じて下さい。
インストールが完了すると再起動を促されますので、再起動を行いその後バージョン7.0を上記の方法でインストールします。
これでWindows10でもOmnipassが使えるようになります。
ワタシはこれまで何十回もこの手法でWindows10にアップグレードしたNFシリーズのOmnipassをインストールしてきました。
もちろん、ちゃんと動作しています。
メーカー(富士通)はOmnipass7.0はWindowsに対応していない見解ですが、やってみればできるんですね。
ただ、手順がややこしいのでメーカーとしては「ややこしいけどできる」とアナウンスするより「Windows10では使えない」とアナウンスしたほうがラクですからね。
このOmnipass、富士通のサポートサイトでも手に入れられるんですが、アップグレードファイルの場合がありそれだと先にOmnipassの前のバージョンがインストールされていないといけません。
フルバージョンのセットアップファイルはパソコン購入時に付属している「トラブル解決ナビディスク」に入っています。
バージョン6.0はNF/D70のトラブル解決ナビディスクに、バージョン7.0はNF/E70やNF/G70のトラブル解決ナビディスクに収録されているのでこれを使えば万全です。
知らない人のほうが多い情報ですから、中古パソコンで指紋認証が使えないまま販売されているのが多すぎることがちょっと悲しいですね。
このあたりをきちんとできるか出来ないかで販売者のスキルが問われるわけです。
スキルの無い販売者から購入する消費者が一番かわいそうですからね。